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南からの旅蝶「ツマグロヒョウモン」大島を舞う

2001年10月24日、東頸城郡大島村大島小学校 S先生が「大発見」!

ツマグロヒョウモン 昆虫に詳しい大島小学校校長 山本敬一氏によると、これは旅蝶「ツマグロヒョウモン」のオスの個体。この蝶の生息域は南方で、新潟県で観察されることは非常に珍しいという。
 確かに、インターネットで検索しても見つかるのは、「広島」「鹿児島」「大阪」などの文字である。
 それを、S先生は、見事に捕獲。その時の様子をS先生に伺った。
「小学校プール脇の保倉川土手で発見した。校長先生の標本で見ていたヒョウモンと明らかに違う、そう思って興奮した。蝶を追っかけて1年足らず、1番興奮したよ。」

ツマグロヒョウモン ♂タテハチョウ科

図鑑によると、四国・九州・南西諸島に広く分布する暖地性の蝶である。スミレ類を食草とする。
石川県では定着しているという観察記録がある。南に棲む蝶だが、北に生息域を延ばしているようである。
南から風に乗って飛来することもあるが、個体を見ると、羽を見てもとてもきれいな状態のままなので、この付近で孵化したものだと考えられる。孵化後、1週間以内だと思われる。
オスとメスで斑紋が異なり、メスは、鳥などから身を守るため、毒を持つカバマダラに擬態します。
擬態する蝶
http://www.nmt.ne.jp/~otaku/butterfly/zukan/gitai/kabamadara.htm
「蝶の図鑑」

 

その他、大島村で捕獲した珍しい蝶を山本校長に見せていただいた。

セセリチョウ<上>
ミヤマチャバネセセリ ♀
セセリチョウ科

分布域が限られていて、非常に珍しい蝶。
しかし、大島村には大量に居て、大島小学校校舎内でも簡単に捕獲できる、という。
ススキを主な食草とする。

<下>
チャバネセセリ ♀
セセリチョウ科

関東以西を定着域とする南からの旅蝶で、耐寒性がなく、大島では冬越えは出来ない。
イネ科のチガヤ、ススキなどを食草とする。
大島村では、初めて捕獲。

 

ウスイロコノマチョウウスイロコノマチョウ
ジャノメチョウ科
これも南(おもに南西諸島、小笠原諸島)を生息域とする蝶で、食草はイネ科のススキ、ジュズダマなど。
3年前、ヤマセミの会会長・岩野さんが捕獲。この頃から、大島村で南の蝶を見るようになったという。

■お話/大島小学校 S先生、大島小学校 山本敬一校長 


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